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LANケーブルでスピーカーケーブルを作ってみた

LANケーブルのスピーカーケーブルやってみた工房
この記事は約6分で読めます。

スピーカーケーブルは楽器の世界ではギターキャビネットとヘッドアンプを繋いだり、パワーアンプとスピーカーを繋いだり、という場面で出てくると思います。
PAの話をすると、小規模PAで大活躍のYAMAHA STAGEPASはスピーカーとパワードミキサーを接続するのはフォンジャックですし、多くのスタック型ギター、ベースアンプもフォンジャックで繋げます。

ちょうど手持ちのSTAGEPASのスピーカーケーブルが長かったので、ちょうどいいサイズのケーブルを作り直すことにしました。

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シールドケーブルをスピーカーケーブル代わりに使えるか?

ノイズをシャットアウトしてくれるシールド線をスピーカーケーブルにも使ったら最強のスピーカーケーブルになるのでは!?と思いついてお得意のMogami2534に手を出しかけたのですが、これはアウトです。

シールドケーブルに流れる電気は電気信号であり、その電圧は20~40mV位。それに対してスピーカーケーブルに流れる電気は、増幅された電気信号であり、20~45V位になります。シールドケーブルの仕様では取り扱いの電圧に無理がありメーカーで推奨していません。

また、とあるサイトで見かけた、単線で高純度な銅が良いのならキャブタイヤケーブルとかVVF電力線が最強!という説があり試したことがありますが、それは違う、ということをカナレのHPが論破しています。

キャブタイヤケーブル(VCTFやVCT)はスピーカケーブルとして使える?

キャブタイヤケーブルとはJIS規格[JIS C 3306]と[JIS C 3312]で規定されたケーブルで、やわらかく導体断面積が大きいため、従来からスピーカ回線のような大きな電流が流れるところで使用されてきました。しかし、このケーブルは本来電源用に設計されているため、絶縁体に比誘電率の大きい軟質塩化ビニルを使用していて、音声信号のような高い周波数の信号を送る場合は損失が大きくなってしまいます。
したがって、多少価格が高くてもスピーカケーブルを使用することをおすすめします。 なお、カナレのスピーカケーブルには、絶縁体にポリエチレンを使用しています。

製品に対するよくあるご質問 (canare.co.jp)

以上を整理すると、スピーカーケーブルの理想はこんなところか?

  • 25~40Vを受け入れる仕様
  • 比誘電率が小さい絶縁体を使ったほうが良い
  • 抵抗値の話からすれば撚線より単線の方が抵抗値は低い。但し、硬いので取り回しには向いていない。

っと整理したところでふと思いついたのですが、電力線の周波数は50Hz,60Hz。オーディオはせいぜい可聴域×2倍としても約40KHzまで。世の中はGHzクラスの伝送を行う世界。もしかして、LANケーブルをオーディオ用途にしたら最強ではないか?PoEで電力伝送もできるので48Vを通せるし。LANケーブルは8本の単線がツイストペア4対で入っているのでノイズ対策もバッチリ。

ということでやってみました。

作り方

LANケーブルの中身

今回はELECOMのCat6ケーブルを利用します。仕事柄、ケーブルの端材が結構あるのでそれを利用しましたが、外皮がポリエチレン製でPoE対応の屋外用LANケーブルならシールド線も入っているので、なお性能が良いと思います。

まずは外皮をはがして8本のケーブルの被覆をはがし、4本ずつに捻り分けます。

Lanケーブルを作る場合は色の違いは重要になるのですが、今回はどっちがプラス極かさえ分かればいいので色は適当です。

単線なので、手で拠るには硬いのでラジオペンチなどを使って拠るといいでしょう。

LANケーブルを半田付け

今回はフォンジャックを接続するので+、ー極に半田付けしやすい形状、長さに加工しておきます。

あとは普通のTSフォンケーブルの作り方と同じです。

以前のケーブルと音を聞き比べてみると、心なし解像度が上がったような気がします。けど、短くなったことで取り回しが楽になったのが一番の利点ですね。

但し、Lanケーブル、特にCat6以降は十字媒介が入っていることもあり、ケーブルが硬いです。用途によっては逆に取り回しが不便になることもありますので、用途に応じて使うようにしてください。

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