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足元の母艦になるか!? Key-Largoを使ってみた

Key-Largo外観やってみた工房
この記事は約11分で読めます。

ギタリストの音は足元のシステムが重要なファクターを持っていますが、キーボードの足元はあまり注目されていないような気がします。

足元に置けて、複数台のキーボードの音をまとめ上げて、ボリュームペダルとかサスティンペダルとかを統合したシステムが組めないものか、と試行錯誤しておりましたら、ドンピシャなツールがありました!

カナダの音響機器メーカー"Radial"のキーボードミキサー"Key-Largo"です。

早速開封の儀。

Key-Largo開封の儀

Radial社は日本ではあまり馴染みのないメーカーだと思いますが、DI等では定評のあるメーカーです。この情報を欲しくて色々調べたのですが、このレビューがほんとに少ない!

なら人柱になってやろうじゃない、ということでReviewしていこうと思います。

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意外と斬新!足元におけるタイプ

キーボードの足元

細かい説明なしに早速足元に置いてみました。エフェクタボードにしっくり収まるサイズ感です。そして通常のエフェクタと同じスチール製の筐体、持った時のずっしり来る重量感(1.47Kgある)、デザインからもガシガシ踏まれることを前提に作られていることを感じさせてくれます。

けど、RadialのHPとか海外のレビュアー動画を見ても、みんなキーボードの奥とか手元に置いています。HPにも「踏む」とか「足元」とかの表現がないですし。
フットスイッチとか手で押すにはツライと思うのだが。鍛え方が違うのかしらね。
何気に「踏めるミキサー」ってのは斬新なアイディアなのではないかと思いますので、私は勝手に「Key-Largoは踏めるミキサー」と定義します。

入出力について

入力はステレオ3系統に加えてUSBが1系統直接繋げられます。なので、ソフトウェア音源も含めると4系統フルステレオで入力が可能です。
L側端子はL/Monoになっているのでキーボードからの出力がモノラル接続でもステレオ相手に音を出せます。

マニュアルでは「つまみを12時にしてからゆっくり上げていってね」と書いていますが、ボリュームはミキサー内で妙にブーストされることは無くフルテンで100%流れるという感覚でした。
楽器側のボリュームは音が割れない程度の最大値、ミキサーはフルテンで出過ぎたチャンネルを絞って平均化する、というセッティングが個人的には良いかなと思っています。

そしてコレが美味しい!と思っているのがUSBの系統。
パソコンのオーディオOutがUSBから直接送信され、オーディオ用24ビット/192kHzデジタルオーディオコンバータを通して出力されるので、Key-Largoまではビットパーフェクトで出力できます。
そして、MIDIはKey-Largoに接続すればパソコンにUSB経由で送信できます。
早い話、MIDIインターフェイスとUSBオーディオインターフェイスが乗っている訳です。これは夢が広がる。

もしや、事によってはiPadとかiPhoneもいけるのか!?ってなわけで、早速やってみました。
接続はUSB-B - Lightningケーブルを使用。探せばあるもんですね。で、結果はこの通り!

電力不足

無慈悲な電力不足。ならば、電力供給しながらの接続ならどうだ!?

デバイスを使用できません

恐らく電力不足のアラートは表面上のエラーで、iOSは対応していないと思われます。
ってか、Radialの公式Faqに"The Key-Largo is not supported by iOS devices."ってバッチリ書いてました。ちゃんと読めって話ですね。
ダウンサイジングに繋がると思ったのに、残念。

PC経由のソフトウェア音源とかMacbook経由のMainStageとかは有効に使えます。

その他の入出力として便利なのがセンドリターン式のボリュームペダル接続端子があります。
通常、キーボードにボリュームペダルを付けるとなれば1台ずつ並べるか、モノラルで2系統取るか、という選択肢でしたが、これであれば1台のボリュームペダルで最大4系統を同時に上げ下げできます!
但し、Key-Largo側の端子はTRSフォンジャックなので、インサーションケーブル(Yケーブル)がセンド、リターンの合計2本必要になります。(写真一番左の2本)

Key-Largo背面

また、エフェクト用センドリターン端子もあるのでお気に入りのエフェクタをプラスさせることも可能で、効き具合もEFX RETURNノブで各系統独立で自由に変えられます。入り切りは下方左側のフットスイッチです。
この端子もTRSフォンジャックなので、ステレオのエフェクタの場合はYケーブルが2本必要になります。


モノラルで使用する場合は本体左側にある押しボタンで切り替えます。
オルガンにディストーションとかクラビにワウペダルとかローズにフェイザーとか色々妄想は広がりますが、今のところまだ使う予定はないです。

もう片方のフットスイッチはサスティンのフットスイッチ。右側の脇にフォンジャックがあるので、こことキーボードのサスティンペダルの端子をフォンケーブルで繋げばサスティンペダルとして利用できます。

Key-Largo側面

早速使ってみたのですが、正直スイッチが硬いので、サスティンに使うには使いづらいです。基本サスティンペダルって踏みっぱなしの割合が高いので、このスイッチを踏みっぱなしにしていると、なんかスイッチを壊しそうな気がして踏むのを躊躇してしまいます。さらに家で素足で踏んでると足にめり込むので地味に痛い。

Key-Largo_Sustin

なので私はサスティンではなくVK-8のロータリースピーカーのFAST/SLOWスイッチとして使用しています。
これだとサスティンペダルで切り替えていた時と比べて「エフェクト掛けた!」って気分が強くなっていい感じです。

フルステレオでシステム組むならマストアイテム!

キーボードの出力端子って基本ステレオで出力できます。しかし、標準的なキーボードアンプは2系統とか4系統とか持っているもののモノラル仕様。
実際売っているキーボードアンプもほとんどがフルレンジ1発のモノラル仕様で、ライブハウスなどでもキーボードのPAアウトはキーボードアンプのLineOutから取るので最終的にはモノラル、という事が多いと思います。

モノラルの方がパワーがあって良い、という側面もありますけど、トレモロ系とかフェイザー系はステレオにオートパンして空間を表現するエフェクトが多く、エレピやシンセ系は特にステレオで出すことで味が出る音色が多いです。

なんとかしてフルステレオにするために思い当たったのがYAMAHAのPAシステム「STAGEPAS」をキーボードアンプとして使う、という方法でした。

STAGEPASだけでも確かにフルステレオで4系統出せるのですが、この方法ではボリュームペダルが台数分必要になります。
スペースも食うことになるし、実際ライブとなれば、ボリュームペダルが2つ並ぶことで「あれ?どっちのペダル?」が発生します。
シールドも倍必要になることで足元がごちゃごちゃにもなるし、その分セッティングも複雑になって時間が掛かります。

Key-Largoであれば、Yケーブルでセンドリターンを組んでおけばキーボードの台数に関わらず1台のボリュームペダルで済むので、あらかじめエフェクタボード上に組んでおけます。

モニターOut、PAOut共にステレオで出力できるので、モニター環境がステレオであれば実感できますし、PAOutはXLRで出すことができるので、PAに直接出すことができます。当然DIも要りません。
この出し方はRoland RD-600等、一部のハイエンドなキーボードしか出来ないので結構優越感あるかも。
但し、L/Monoは無いようなので、PA側から「空きが1chしかありません」と言われたらちょっと工夫が必要です。

今回はこのシステム用にステレオ用のデュアルケーブルを作ることにしました。既に1対のステレオケーブルとして組んでいるのでセットアップの時に迷いがありません。

足元に置くこだわり。

手元で操作すればこんなに苦労しなくても済むものを、何でそこまでして足元に持って行きたがるのか?

実際プロの現場を見ていると、キーボードの奥とか演者の背中の方とかにミキサーを置いている風景をよく見かけます。
手元で見ながらいじれるのだから、いちいちしゃがんで操作するより断然操作性がいいのは火を見るより明らかです。

但し、これはプロがホールなどの広い会場でローディー付きでセットアップしてくれる場合や、演奏までに設営時間がゆっくり取れるスケジュールだからこそのセッティングだと思います。

私のようなローカルのアマチュア演者は自前で入り捌け込み20分のリハーサル、リハが終わったらバラして本番にまた組む、という場面がザラです。
時間厳守が出来ないと次回の雇用にも大きくつながってくるので、速くバラして次の演者に場所を1秒でも早く渡すことが重要になってきます。
更にローカルのライブハウスのステージはホントに持ち場が狭い!
キーボード1台置くのも申し訳ないくらい狭い場所でのライブなんてのもザラです。そんな環境で2台のキーボードにプラスしてミキサーも手元に置くとなれば、その分スタンドかテーブルが必要になり、荷物も増えるし場所も食ってしまいます。特に遠征の場合は極力荷物を減らしたいものです。
キーボードの足元はエフェクタがほとんど並ばない分手薄(脚薄?)なので、足元で機材が完結していれば場所の有効活用にもなります。

STAGEPASのミキサー部分を足元に置いたこともありましたが、STAGEPASは、モニターOUTのボリュームがメインボリュームに連動してしまいます。特に私の場合は自分のモニターは低めの設定なので、PAに出ていくゲインが非常に低い状態となってしまい、PAさんに「音出てません!」ってよく言われてました。

そんなわけでPA OUTとMonitorOutは独立したOutレベルで出したい。それならばとTAPCOの小型ミキサー"MIX100"を置いたこともありましたが、やはり手元で使う前提のデザインなので、足元に置いておくのには不安がありました。実際、サスティンペダル、ボリュームペダルを踏む前に間違ってミキサーを踏まないように位置確認をするという気遣いが出てしまい、演奏に没入しきれないということになりました。
STAGEPASのミキサーの時は、間違って蹴ったらパワーアンプを蹴ることと同じになるのでもっと気が気ではなかったです。

”踏めるミキサー”であれば、相当手荒な事をしない限りはタフな運用ができるし、エフェクタボードの奥にセットすればノブまで脚が掛かることはほぼないと思うので、安心して脚を伸ばしに行けます。

結論:複数台持ちキーボディストの母艦としてマストアイテム

立ち位置スペースが限られる、持ち物は極力減らしたい。けど、複数台は使いたい!ならばこのアイテムは必須アイテムだと思います。但し、ケーブル食いなので必要なケーブルもしっかり見積もってから購入することをお勧めします!

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