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ドラマー主体の同期演奏でライブ出演! #01_素材作り

ドラムスティックやってみた工房
この記事は約14分で読めます。

B'zのLovePhantomをライブでやりたい!という思いつきから、バンドと打ち込みの「同期演奏」で実現しようという今回の企画。何はともあれ打ち込みしないと始まらない!ということで、今回は素材になる打ち込み音源を作っていきます。

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打ち込み機材紹介

シーケンサーソフト

単純に説明すると並べた音符通りにシンセサイザーの音を鳴らしてくれるソフトです。私が携帯電話のN904向け4和音着メロを作ってた時代は「シーケンサー」とか「DTMソフト」と呼ばれてました。

最近はソフトシンセサイザーが内蔵であったり、録音した音をトラックに並べることができたりが普通となり、「DAWソフト」と呼ばれるのが一般的となっています。

最近のソフトであればシンセサイザー、いわゆるMIDI音源が内蔵されているのと、内臓のオーディオインターフェイスでもWAV書き出しが可能なので、シーケンサーソフトがあれば今回の作業は完結できると思います。

ちなみに私は林檎使いですので昔からこれを使ってます。

Apple Logic Express9

古っ!

これをいまだにMacProG5(Rossetta)で動かしています。

けど実際のところ、アマチュアレベルで20トラックくらいを使うくらいなら当時のこのスペックでも十分曲は作れます。と負け惜しみを言ってみます。

今買うなら以下になりますね。

MacのためのLogic Pro
あなたのMacを、すべてを備えた完全なプロ仕様のレコーディングスタジオに変えるLogic Pro。最初の一音から最後のマスタリングまで、ミュージシャンに必要なものが全部そろっています。

MIDI音源

最近はソフトシンセが充実しているので外部音源モジュールってのはなかなか出番がないかと思います。

けど、今回のLovePhantomのような90年代の音楽はこれらの音がふんだんに使われているので見事にハマります。

ということで、打ち込みの音の一部には私が高校の頃から使い続けている「Roland JV-2080」の音も入っています。

MIDIキーボード

メロディーはわかってるのに、1音1音マウスでポチポチでは効率が悪いです。1本指でもメロディーをなぞって弾けるなら、先に入力する音符の長さを指定して、あとはゆっくりでもキーボードで弾けば指定した音符で連続入力できる「ステップ入力」を使えるので効率が上がります。

ある程度でも弾けるなら、録音する要領で入力する「リアルタイム入力」でガシガシ音符にしてから、「クォンタイズ」でタイミングを調整して、それでもおかしいところを手作業で直していく、というのが効率がいいと思います。

私はこれを使ってます。


バウチャーで付いてくるソフトシンセが大盤振る舞いなのでお得感あります。

楽譜(バンドスコア)

打ち込みでコピーするならやはり完コピを目指したい!

幸い、B'zは本人監修の公式バンドスコアがリリースされており、特に「Pleasure」以降は精度が高いです。

LovePhamtomに関してはオーケストラ部分のスコアがバッチリ載っていたのでこれをそのままデータ化していきます。ほぼ事務作業です。

実は楽譜を読むのが苦手なので、ポチポチスコア見ながら入力していくと「スコアがあるならスキャンすればいいじゃん」という手抜き発想がどうしても出てきます。「スコアをスキャニングすればそのままデータ化!」みたいなソフトも昔からあって、数々のサンプル版を試してみましたが、まぁ役に立たない。お勧めしません。

  • 五線譜からはみ出した音符は拾えないのが多い
  • 基本的にバンドスコアには対応していない
  • B'zのバンドスコアは五線譜が小さくて読み取りが困難

読み取りができるように拡大コピーしたり、1パート分を抜き取るためにコピーを切り貼りしたり、と色々スキャンできるように工夫はしてみたもののなかなか認識しない、したけど間違ってるといった感じでまだまだ実用には向かないな、という印象。ってか、こんな苦労するくらいなら時間をかけてでもさっさと楽譜を読んで打っていったほうが早いです。

打ち込みトラック紹介

ということで、Logicにポチポチと打ち込んでいった結果がこちら。

ひさびさに10Trを超してきました。合計17トラック使用しました。

画像が細くてみづらいのでトラックをテキストでも紹介しておきます。

  1. 女性コーラス(Aah)ソプラノのソロ
  2. 混成コーラス(Aah)
  3. ピアノ 16部音符のループ
  4. 第1ヴァイオリン
  5. 第2ヴァイオリン
  6. ビオラ
  7. チェロ(4〜7でストリングスという構成)
  8. オーボエ (最初のオケパートでちょろっと出てくる)
  9. ハープのMIDI信号(外部音源のJV-2080を鳴らすため。録音後はミュート)
  10. ハープのオーディオファイル(JV-2080で鳴らした音を録音した)
  11. POPPiano(硬めの音色。サビのバッキング用)
  12. AuroraBell(ベル系の音。3トラックの味付け用)
  13. Brass(Aメロのバッキング)
  14. デシタルドラム(TR-808っぽいバスドラム。生ドラムに味付け用)
  15. タンバリン(ビーイングの隠し味)
  16. リバースシンバル(サビ直前のシャー!っていうSE)
  17. Click(テンポを取るためのメトロノーム代わり。アコゴベルの音色を使用)

コーラス

オープニングからオペラっぽい雰囲気を持っていくあのコーラスですが、よく聞くと本家も最初の数小節はシンセサイザーのコーラスを使用しているようです。後半は生声になってますが。

ちなみに「そして私は潰される」のあの声は飯島直子さんがやっているのですが、うちに直子さんはいないしミクさんもいないので、今のところ割愛しています。あとでどうにかしたいところ。

ストリングス

コーラスと並んで一番美味しいところ。楽譜にも4パート書いていたので、ストリングスの1トラックに統合せずに各パートに分けて打ち込みました。

パート分けした単音を打ち込んで、あとで合わせて聞いた時にバッチリハモってるとやっぱ未だにすっごい嬉しいもんです。打ち込み冥利に尽きるってものです。

パート分けはしているものの、オーケストラの雰囲気を出すために、第1、第2ヴァイオリンは単品のヴァイオリンではなくストリングスをチョイスしています。やっぱり一番耳に入る音なので、聞いた感じで一番近いのがこれなんです。

よくストリングスの音のアタックが遅いのでタイミングがずれて聞こえる、ということがあります。やれRolandのストリングスはもっさりするだのKorgの立ち上がりはイイけど細いだの、ストリングスだけで何時間も語れるくらいネタはありますが、私はマッチする音色であればアタックが遅くても採用します。

「アタックが遅いなら早く音出せばいいじゃん。」という理由からです。アタックタイムを調整すると一気に音が痩せて聞こえるというか、安っぽく聞こえてしまいます。やはりある程度遅いアタックタイムから立ち上がる音がリアリティがあるのです。

じゃあ、自分がライブで弾くときは時はどうしてんのよ?というと、前倒しで弾いてます。イヤマジデ。これは練習というか慣れあるのみです。

ある程度打ち込んだら、出音が自然に聞こえる位置までノートを前倒しした位置にずらしています。

何分音符分?何Tickずらすのか? Don't Think! Feelだよ。データとしてみると割り切れない中途半端な位置なので気持ち悪いですがそこは目を瞑る。自分の精神衛生より聞いた時に気持ちいいかどうかが重要です。

ハープ(MIDI音源)

Logic標準のソフトシンセにはハープの音がなかったので、ここは外部音源を頼ることに。

JV-2080にちょうどいいハープの音があるので、外部MIDIトラックでノートを作ってインターフェイス経由で再生、再生された音をLogicの別トラックにオーディオとして録音、という方法をとりました。

繋ぐ順番は、Logicの外部MIDIトラック(再生)→UM-550(MIDIパッチインターフェイス)→JV-2080→Motu8Pre(オーディオインターフェイス)→Logicのオーディオトラック(録音)

自分で鳴らして自分で録音する、というなんかまどろっこしい感じもするし、ノートを再生すればその都度外部音源が鳴るのに、なぜわざわざ録音?というところもありますが、

  • 後追いでエフェクトをかけたいので
  • 外部インターフェイスが毎回安定して通信するとも限らないので
  • 最終的に2Mixにする時にはオーディオに落とさないといけないので

この手法を取っています。DTMでSC-55とか鳴らして一人で遊んでた時代にはMIDIシーケンスを録音する、という発想は私にはなかったです。

デジタルドラムとタンバリン

デジタルドラム、といっても使った音色はバスドラム、スネア、ハンドクラップです。

バスドラムは4つ打ちのダンスミュージックで定番の物を採用しています。生のバスドラムと同時に鳴らすことでダンスミュージックの味を残しつつバンドの雰囲気は崩さないようにしています。そのためにはしっかりドラマーがシンクロさせなければいけません。練習あるのみ。頑張ります。

スネアとハンドクラップはアクセント程度です。イントロに出てくる美味しいポイントでやっぱり鳴ってないと雰囲気出ないので。

そして、タンバリンの音。これはビーイングの楽曲のサビには必ずと言っていいほど入っています。

かつてマニピュレータであった明石昌夫氏が明かしていましたが、「サビにタンバリンが入ってると売れる!」とのことで、同氏が関わった作品には必ず入れていたそうで、プロデューサー伊藤たけしさんにも「絶対入れるように」指導していたとか。

クリック

同期演奏をするには欠かせないのがクリック、メトロノームです。

これが意外と奥が深い。

自分がテンポを取りやすい音符をまず探します。私はこの曲に関しては本来の倍のテンポ、要は8分音符で取っています。

あと問題になるのはクリックの音色。1拍目と他拍の音色は変えておかないと迷子になりやすい、とか、オケに混ざるとクリックが埋もれて聞こえなくなるとか、ここは聞いて叩いてみてやり直してと試行錯誤して自分のベストなクリックを探していきます。

私は最初のうちはカウベルを使っていましたが、1拍目はアコゴベルに変更しました。

正直、アコゴベルは鳴らしてみると調子外れでけっこうマヌケな感じになります。けど、その浮いて聞こえる分しっかり聞こえるのと、サスティンがあるので見失うことが減りました。どうせ、私しか聞いていないのであとは慣れです。

ミキシング紹介

同期演奏をするために、自分にはクリックを送りたい。けど、外音には出さない。再生時の機材のダウンサイジングを狙うためにミキサーは使いません。なので、ミキサーのバスでチャンネルを分けるような通常の運用はできません。

そこで、今回ステレオトラックのLとRの各チャンネルを2トラックのモノトラックとして扱う方法を執ることにしました。

こうすれば、ステレオアウトさえできればLチャンネルとRチャンネルの行き先を別々に取ることで別々のミックスを作れます。今回はこのようなMIXにしています。

Lチャンネル打ち込み音源のみ。PAに送る。
Rチャンネルクリック+自分が欲しい打ち込み音源Mix。自分のモニター用イヤホンへ送る。

自分用のオケのMixは、LチャンネルからどれだけPANを抜くかで作れます。要らないトラックは完全にLに振ればRチャンネルでは鳴りません。

クリックのチャンネルはRチャンネルに棒振りです。これでLチャンネルではクリックは鳴りません。

あとはEQとコンプ、トータルでリバーブを入れるなどお化粧をして完成です。


今回は打ち込みの手法やミキシングの詳細は割愛しますが、これで素材が出来上がりました。

次回は音声データへの書き出しと、サンプリングパッドSPD-Sへ取り込んで使える状態にする工程を解説します。

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