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パソコンを擬人化して考えるとフリーズに強くなれる説

氷とペンギンひとり情シスサバイバルの教科書
この記事は約12分で読めます。

パソコンが固まる、フリーズする、動かなくなるetc...

言い回し方法は数あれど、一生懸命作った資料、制作物を一瞬で無の世界にしてしまう現象。一度は食らったことがあるでしょうし、非常に嫌なものです。

とはいえ、スペックを簡単にパワーアップさせられるものでもないし、会社のパソコンではましてそんなことできないし、そもそも、CPUとかメモリとかすごく進歩しているくせに、なぜWindows95の頃からある定番のExcelごときで固まるのか!?

ましてや、パソコンのエラーは何を言ってるのか分からないような難しい言い回しであったり、ひどい時にはだんまりです。

この理不尽さがパソコン嫌い、パソコンアレルギーの人を増やしてしまう原因なのかなと思います。

私もエラーを全てわかるわけではないですし、正直昔から数学は赤点が平常運転なくらいの学力でしたが、一社のひとり情シスとしてエラー対応はやれています。

私はパソコンに対してこのような前提を持って対応しています。

「パソコンは口下手・ツンデレでA型な性格」である

タイトルに「擬人化」と付けていますが、愛着さえ持てれば「パソコンといういきもの」くらいのふわっとした感じで自分がかわいいと思える何かに置き換えてみればよいと思います。必ずしも萌え萌えな女子に変換する必要はないです。そっちのほうが愛着が湧くというのなら止めませんが。

難しい用語やらアーキテクチャは分からないが、「そのパソコンのしぐさ」として大枠をとらえて付き合っていくと、何となくへそを曲げる理由が分かってきて、少しはデレデレしてくれるのではないでしょうか。

フリーズに至る原因は星の数ほどありますが、固まるパソコンに対しキーボードクラッシャーの如く怒り狂っても解決にはなりませんし、何より自分のメンタルがやられます。

まずは相手のことも知ってみましょう。

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パソコンさんってこんな性格

言われた仕事は小さなことでも素直にまじめにやる。応用は効かない。

よく、なんかのファイルを起動するときになかなか起動からといってアイコンを連打するとますます動かなくなって、最終的にはクリックした分アプリが多重に起動する、なんてのはあるあるですね。

デスクトップ画面が普通に動いているとき(Exploreが起動しているとき)はタスクマネージャーでちゃんと動いてるか見られるので「ダメっす。もう無理っす。(応答なし)」とか状況が分かります。けど、他人(タスクマネージャー)が「こいつテンパってます。無理です。」と判断しても、実際のプログラム自身は「まだだ、まだ終わらんよ」と頑張ってるパターンもあります。最近は割と頑張れるプログラムが多いように感じます。

お得意のExcelを例に順を追ってみてみましょう。

普段であれば、セルに入力されたものの登録、図形の挿入、数式入力と計算からマウスのスクロール、シートの切替等々次々入ってくる命令をサクサクっとこなしていきます。

普段のExcelの仕事のこなし方

この図は説明用なんでこんなですが、パソコンさんのキャパはもっとデカいですし、命令も瞬時にいっぱい入ってきます。

しかし、そんな中にも手強い処理が入ってきます。

図1:デカい仕事を受け持つExcel

ま、数式一つで落ちるほどExcelさんも弱くないんですがあくまで例ですので。

何百万個の参照計算とか、右を向きながら左向けみたいな無理筋計算が来たりするとそれでも黙々とこなそうと頑張ります。しかし、人間様は黙々やってるExcelさんを待てないのです。Excelさんが「今やろうと頑張ってるけどまだできません」ってなかなか切り出さないので。

入ってくる仕事は断らない

しかも、「この処理時間かかるから後回し」ってことをしません。やると決めたらガッツリやります。

タイムアウト(何回かやって出来なかったら諦める)とか明示的に条件が揃った時に強制終了する等の設定をしていない限りは仕事をやめることはしません。仕事(タスク)が増えれば増えるほど処理量が多くなるので、処理時間が伸びます。得てして「処理が遅い」というときは他の仕事が溜まっている状態のことが多いです。

いつもならバシッと終わる処理が終わらないので「あれっ!?動かない。おかしい・・・」と思ってマウスカーソルをくるくる回したりバシバシやり始めます。すると、パソコンさんはその行動も命令なのでやることリストに追加します。

図2:テンパるExcel

さらにパソコン全体で見ても、常駐ソフトの定期的なタスクのように裏で動いている処理も漏らさずに仕事をするほんとにまじめな奴です。しかも、その仕事だってやってるときは手を抜きません。バックグラウンド処理の場合はリソースの割り振りに工夫がされてきていますが、それは処理の割り振りの話です。仕事の手を抜いているわけではありません。

悩みだしたら止まらない

なのでパソコンさんは「まだ終わらんよ」と思っていても、人間様が「もういい、やめろ」と「×ボタン」とか別の操作を重ねる、それらも逐一命令としてやることリスト(タスク)に入ってしまうので、どんどん負荷が増えていき、しまいにはキャパオーバーとなって、タスクマネージャーから「こいつもう無理っす」と判断されて「応答なし」とされてしまいます。

で、重い処理が終わったとたんに、堰を切ったように、今まで処理待ちしていた操作内容がダーッと処理されてしまいます。

図3:デカい山をこなしたExcel

せっかく処理した内容がフリーズ中に押した×ボタンの命令によってそのまま閉じられてしまった、なんてことはこんな理屈で生まれています。

エラーが起きても謝らない

まぁ機械なんでそりゃそうなんだけど。

図4:ドヤ顔を決める仕事ができるExcel

さっきまで死ぬほど悩んでても、処理から解放されれば何事もなかったかのようにスイスイ仕事します。

今の例の流れだって、人に例えると「だって、こう命令されたから、その通りに何回もやってるじゃないですか!」って心の声(エラーログ)には書いてると思います。

体の不調(ハード的エラー)が無い限り、特定の操作やファイルでエラーやフリーズが起こるなら、だいたいはその命令を出した側の書き方に無理があったり間違いがあったりするのが主な原因です。

中には、ファイルサーバーにアクセスする帯域の逼迫が原因とか、外部リンクが切れて繰り返し参照エラーが出ている等、表面では分かりづらい原因もあると思います。

けど、プログラム、システムというヤツは言われたこと(操作内容)をその通りにやるだけです。状況をおもんばかったり、まして忖度なんで絶対しません。そんなエラー原因があるならユーザーが取り除くしかないのです。そして、取り除いても当然お礼はありません。どんだけツンなのよ。

むしろ誰に対しても、社長に対しても平等にそんな態度だから尊敬すべき性格かも。。。

報告してくるエラーは目の前のことだけ。内容は専門用語。

「TNSリスナーがありません。」とかいきなり言われても、データベースをかじってないとリスナー?TNS?って話ですよね。

パソコンさんはその時に起こったことを自分の世界の用語で言っているので、エラーメッセージの字面はエラーの原因を言っているわけではない、と心得ておきましょう。

字面で出てきたエラーの箇所自体は悪くなかったりするので、いじくっているうちにドンドンとドツボにはまる、なんてのもあるあるです。

ちなみに実際、上のエラーが出た時に、サーバーとクライアント機のTNSリスナー設定を何度見直しても合っている、おかしい。と思ってドツボにはまっていたらデスクトップに「セーフモード」と書かれていて一気に力が抜けた記憶があります。(使用者がセーフモードで起動していたのでデータベースのサービスが起動していなかった、というオチ)

事象としては外してないけど、原因直結ではない上に専門用語で言ってくるので、「ちょっと何言ってるのか分からない」となります。その独自な言い回しを普通の日本語に翻訳するのがひとり情シスの役目だと思っております。


ざっとパソコンさんの性格をご紹介しましたが、お付き合いできそうですか?

「もうこいつ人としてダメなヤツじゃん!」と思うか「とらドラ!の逢坂大河」と考えるか。考え方ひとつで接し方も変わるかもしれない。

たまに謝ってきたようなエラーの文面があったりするので、見かけたら「こいつ、デレたな。」とか思っておくと幾分幸せになれるかもしれない。

「フリーズ」と判断するには何分動きが無かったらフリーズなのか?

「どのくらいの時間が経ったか」より「その子がどのくらい深く悩んでいるか」で私は決めます。

パソコンをいじっていると何となくわかると思いますがプログレスバー(〇×% 完了 みたいな経過をお知らせする表示)は、いきなりやたら進んだり遅くなったり止まったりします。軽い処理内容が数多くあればザクザク進んでいきますし、1工程が大きいサイズの処理であれば遅くなります。全行程の〇×%目にどうしてもクリアできない内容があればそこで止まります。

また、何かの操作きっかけで今まで何の問題もなく動いていたものが「ぴたっ」と止まるってこともあります。

しかし、更新プログラム適用中なんかはタスクマネージャーを見ることができないので、状況が一目ではわかりません。

特に大型アップデートは処理件数が膨大なので何時間も掛かりますし、最近のWindowsさんは遅くても粘り強く仕事をしていることが多いです。先ほどの「まだだ、まだ終わらんよ」ってこともあるのです。

電源ボタンの近くのアクセスランプが不定期にチカチカ点滅していたら仕事をしています。と一般的には言われますが、個人的にはこんな感じでもう少し細分化して見られる思っています。

消えっぱなし完全に沈黙。真っ白に燃え尽きてます。そっとリングから降ろしてあげてください。
規則正しい点滅ハード的な何かで死んでます。うまくやれないというより体の不調からくるものですのでドクターストップです。
たまにパチッと光る息も絶え絶えで頑張ってますが、一向に進んでないようであれば限界だと思います。タオルを投げてあげましょう。
不定期にパチパチ光る時間が掛かってもまじめに仕事していますので、少し気長に待ちましょう。けど、いつまでも終わらないようであれば同じエラーポイントをぐるぐる回ってるだけの可能性もあります。その場合は「まぁ落ち着けよ」って声をかけてあげてもいいと思います。
アクセスランプからみるパソコンさんのテンパり具合(個人的見解)

不定期にパチパチ光って仕事しているように見えるけど、一向に進まないパターンの見極めが難しいですね。

人でもよく見る光景ですが、「言われた手順でさっきから何十回もやってるのにうまくいかない」と言いながら延々と手順を替えないままうまくいかない方法をかまってくれるまでやり続けてる可能性があります。

私の場合は、最近のパソコンさんはこのような場合、強制終了を掛けてもロールバック(更新前の状態に戻す)してくれる確率が高いことから、もうテンパって進みそうにないなら「こいつうぜぇまぁ落ち着けよ」って言いながら電源ボタン長押しの強制終了を掛けています。作業としては失敗ですが振り出しに戻って考え直せます。

Excelのフリーズなんかでも同じく、白っぽくなって(応答なし)になって「再起不能じゃね?」と思ったら、勇気をもってタスクマネージャーで強制終了してみましょう。オプションで自動保存を切っていない限りは、再度Excelを起動すれば少し前の状態を復元することができますし、最近のExcelは復旧率高いです。

まとめ

人だって高学歴でも「フリーズ」する人はいますよね。悩みから抜け出せない人もいます。状況報告がへたっぴな人もいます。

人の場合は、悩んでる人の悩みを聞いてあげることで解決の糸口が見えることがあります。パソコンは、エラーメッセージやログを見てみることが同義かと思います。

Point

  • 遅い、フリーズの原因はだいたいスペックのせいではない。処理の仕方が大体の原因
  • 原因究明はエラーの字面だけで判断しない
  • パソコンの反応を見て、無理そうならためらわず強制終了
  • 「パソコンといういきもの」というやんわりとした見方をすると理解しあえる(かも)
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