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メールに添付された「winmail.dat」という怪しげなファイルの処理方法

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この記事は約8分で読めます。

「相手からメールを受信したら"winmail.dat"っていうへんな添付ファイルが来たけどなんだこれ?」

という問い合わせがよくあります。

「お得意先からメールにExcelファイルがあるはずなんだけど、何度やっても開けない」

という問い合わせの時に、その添付ファイルを見てみると”winmail.dat”を開こうとしていた、というパターンが非常に多いです。

”winmail.dat”で調べてみるとやはり皆さんお困りのようで、たくさんの詳細な解説サイトが出てきます。

今回は「Winmail.datの解決法」って思ったより奥が深いよ、というお話。

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そもそもWinmail.datとは何なのか

この怪しげなファイルが添付される条件は得てして以下の通りかと思います。

Winmail.datが届く条件

  • 送り先が使用しているメールソフトが「Outlook」、受け側はそれ以外。
  • 相手が「リッチテキスト形式」で送信している
  • その他、いろいろ条件はあるらしいが、Outlook起因であることは確か。

Outlookが相手にメール送信する場合、リッチテキスト形式のメールには、フォント名、色やサイズなど文字装飾の情報も一緒にOutlook独自の形式(TNEF)で送信しています。

受け側もOutlookなら、その形式を自動で読み取って本文に装飾を加えたり添付ファイルを展開したりします。Outlook側でこの辺りは内部処理する為、カプセル化したファイルの存在も見えないので、何も意識せず開くことができます。

しかし、相手が違うメールソフトを使用していると、この独自方式で封されたカプセルを開けることができません。

このカプセル化された本文以外の情報が、他のメールソフトからは"winmail.dat"という添付ファイルとして見える、ということになります。

カプセル化される条件が色々あり、一概に言えないこともあり、添付ファイルもカプセル化されてしまうパターン、されないパターン、添付ファイルはないけどwinmail.datがくっついてくるパターン等バリエーションがあります。

解決方法は相手側の問題

Winmail.datは添付ファイル等がカプセルに詰まった状態なことは理解した。ならば開ければ取り出せるってことだな!

と行きたいところですが、outlookでしか開けられないカプセルに入れてよこすOutlookの仕様が問題なわけで。

基本的にはこの手の対応方法は送信側に対応してもらうことになります。

テキスト形式で送ってもらう

Outlookからリッチテキスト形式で送信すると、文字に装飾が付くのでwinmail.datができてしまいます。なので、「テキスト形式」で送信することでカプセル化を防ぐことができます。

こちらのサイトがOutlookの設定について完璧に解説していたので丸投げしますw

添付ファイルをwinmail.datにさせない方法 | Excel活用術 (excel-katsuyo.com)

(上級者向け)カプセル化を止めてしまう

もういっそのことカプセル化しないようにレジストリをいじってしまう、というもの。

レジストリ=自己責任という世の流れですので、システムの復元ポイントをしっかり作ったうえで自己責任にてお願いしたい内容です。上級者向けということでこちらで解説はしません。下記のリンクに書いている意味が分かる人がトライしてみてください。

Outlook 2007 および 2010 でメールを送信すると、受信者側に Winmail.dat というファイルが添付される (microsoft.com)

・・・とはいえ、この内容を自分がやるならまだしも、お客様相手におねがいとなるとハードルが高い、という方もいらっしゃるでしょう。まして

そちらのレジストリ修正してもらっていいですか?

あぁ?意味わかんねーよ、メーン?

ってギクシャクし兼ねない、となれば自分の方で何とか処理したい、と思うでしょう。

やっぱり受信者側で対応してみる

Gmail、Yahooメールに転送する

この2つはOutlookのWinmail.datを展開できるので、そのまま転送するだけで転送先では普通に添付ファイルが開けます。

ただし、「会社のメールをフリーメールに転送してはいけない」的な社則がある場合はこちらをお試しください。

Winmail.datを変換するサイトを利用する

最近はクラウドベースでいろんなファイルを変換できるサイトが多いです。その類のひとつですが、こちらがインストール不要で使用実績、紹介事例が多いです。で、Winmail.datに特化しています。

winmail.dat変換ツール(インストール不要) (winmaildat.net)

実績があるとはいえ、一度よそ様のサーバーにデータを送ることになるので、それが許可されない会社もあるかと思います。その辺りは社則に気を付けて使いましょう。

フリーウェアもあるけど、ご用心!

カプセルを開けるフリーウェアもあります。一番有名なのは”Winmail Opener”となります。但し、このソフトを手に入れるまでの道のりにいろいろ罠があります。

怪しいダウンロードサイトだらけ

試しに”Winmail Opener”で検索してトップに出てくるサイトをそのまま鵜吞みで進んでいくと、そのサイト専用ダウンローダーを使わないとダウンロードできない仕組みになっていたりします。

大概、そのようなダウンローダーはメモリに常駐して広告を出したりPCの情報をサーバーに流したりします。要するにマルウェアです。

ちなみに、検索してみると、候補内にでよく”Winmail Opener 日本語 窓の杜”って勝手に出てくると思います。

「日本語版、しかも窓の杜なら安心だな」と言ってそこをクリックすると、到着するのは窓の杜ではなく"Update Star"という別サイトに飛びます。

なかなかまともなダウンロードサイトが探せないのです。ちなみにWinmail Openerの日本語版はいろいろなサイトで探してみましたけどないと思われます。

Winmail Openerをダウンロードしたいのなら、これを製作している本家サイト一択です。

Eolsoft - Freeware download: Flash Movie Player, Registry Jumper, Winmail Opener

ちなみにこの本家サイトも一癖あります。「Download Now」という押したくなるようなボタンは"Downlord.cnet"という海外ダウンロードサイトに飛びます。そこで迷子になる可能性や、そこのダウンローダーをインストールするとマルウェアがたっぷりと入ってくる、という可能性もあるので、ソフト名の文字リンクをクリックするようにしてください。

「大概目立つ押しやすそうなボタンは押しちゃいけない」というのがダウンロードサイトでのお約束です。

本体は安全なのか?

本家からDLしてインストールまで行ったとしても、個人的に引っかかっているのはこのソフト自体の安全性。どうもこのテのサイトからダウンロードしたソフトって、余計なツールバーやら昔流行ったhao123やらばらまくんじゃないかと訝しげに見ているのですが、ネットで調べても安全性についてはなかなかいい情報がヒットしませんでした。

だったら人柱になってみよう!ということでインストールしてみました。

人柱レポート

  • インストール時におまけのソフトをインストールさせる挙動は見られなかった
  • 問題なく使用できた。むしろシンプルすぎて他の用途はない。
  • アンインストール時に他のソフトをインストールさせる挙動は見られなかった
  • アンインストール後、マルウェアが潜みそうなフォルダ、レジストリを確認したが痕跡は無かった

ということで、導入に関して心配はなさそうです。

winmail opener以外の選択肢

けど、やっぱちょっと怖いなー、とお思いでしたら「winmail.dat Explore」がいいかもしれません。

Microsoftストア:Winmail.dat Explorer を入手 - Microsoft Store ja-JP

制作者サイト:Maklabu GmbH - Home

スイスの2人組で製作しているようです。国別ドメインが".ch"とあったので、一瞬「中国か!?」と思いましたが、中国は".cn"でした。".ch"はスイスのドメインです。

Microsoftストアで配布しているので、安全性はMicrosoftお墨付きと見ていいでしょう。また、このソフトのiOS版、MacOS版もあるようで、そちらはitunesStoreを通して配布されているので、apple社のお墨付きです。


まとめ

いろいろ対処法を紹介しましたが、なによりも一番の対策は「winmail.dat化しなければいい」だけの話です。

結局、"winmail.dat"というファイルは個人的主観ですが、Microsoftの「全力のおせっかい技術」と「俺が世界標準観」が生み出した産物じゃないかと思うのです。

Eメールのプロトコル自体に進歩が無くセキュリティが古いので、カプセル化によるセキュリティ強化を図ったことは評価しますが、Outlookしか使えないってオチのせいで他ユーザーに困惑をもたらすのはいかがなものかと思います。

「Outlookを使用しない」ということだけで、今回のトラブルをお得意先様に与えずに済みます。

最近は移行も簡単に行えますので、ぜひともご検討ください。

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