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はじめに

ひとり情シスサバイバルの教科書のロゴ ひとり情シスサバイバルの教科書
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ひとり情シスよ、生き残れ!

全国には「パソコンが詳しそうだから」という理由だけで全社のパソコン担当にされてしまった、システム担当にあてがわれてしまった、いわゆる「ひとり情シス」「ぼっち情シス」と呼ばれる方々がたくさんおられ、IT業界では社会問題として取り上げられています。

かく言う私もその一人。執筆当時から数えて8年目となります。

私はひとり情シスとなった初日から議事録メモ、トラブルログを何かが起こるたび書き溜めてきました。現在では約3000ページを越すドキュメントとなり、いまでは小さなトラブルならこれを読み返すことで8割方のトラブルを解決できています。

本Blogでは全国の「ひとり情シス」「ぼっち情シス」の皆様に、少しでももがいてきた経験がお役に立てばと思い、このログから皆さんの職場でも応用できそうな事例を「サバイバルの教科書」として紹介していこうと思います。

止まない雨はない。ひとり情シスよ、このロクでもない素晴らしい境遇を生き残れ!

ひとり情シスになる前のスペック

  • 情報系の専門学校卒。就職氷河期の折でSEの就職先はことごとく落選
  • 地元企業に高卒の現場作業員枠としてと入社
  • 入社時、「おー、パソコン使えるんかぁ、じゃあ5年下積みしてきたらシステム担当やってもらうよ!」と言われワクワクしながら下積みするも15年放置される。
  • Officeとフォトショがある程度使える。VLOOKUPのクセがうまくつかめない。
  • C言語を実習レベルで組める
  • 簿記3級だけどすっごい苦手
  • 自作パソコンは組める
  • 情報技術者の資格全落ち
  • データベース?ああ、アクセス。訳わからんかったw

ひとり情シスは突然に。

そんなモブ作業員がその日も機器操作室でぼぉーっと機械が動く様を監視しておりました。
すると、課長に何故か会議室に呼び出されます。
「今、全社システムが行き詰っていて、現場が分かってるパソコン詳しい人間が欲しいと本社からお達しがあった。来月から本社配属になるけどいいか?」

心の中の第一声は「今頃かい!!」でした。
正直、現場の仕事も覚えてそれなりにこなすようにはなってきていたものの、やっぱりパソコンを相手にした仕事の方が性に合ってる、とつくづく思っていたので

「やります!」

の一つ返事で本社異動が決定しました。

けど、いくら事情を知らないとはいえ、見たことも無い全社システムが行き詰っていてそれを立て直せ、ってのは明らかに無理ゲーってのはさすがに伝わります。内示からの1か月はIT系、ビジネス系の書籍を読み漁って理論武装したのを覚えています。どんな本を読んだのかは、後々思い出したら別記事で紹介出来ればと思います。

そして迎えたひとり情シス初日

まずは担当役員から現状とこれからの計画が説明されました。社内機密があるので抵触しないレベルで書いていきますが

「2か月前に本稼働した全社システムに対し、残存課題が133件あります。最初の1か月で要件整理、2カ月目で対策案を検討し、3か月目から対策を開始します。」

「あなたには現場からの声を拾ってもらってトラブル対応にあたってもらいます」

(C)カラテカ By Brøderbund


想像以上の無理ゲーでした。そして、

「午後からシステム対策の全体会議があるので、あなたの紹介がてら出席してください。」

昼ご飯はどこで食べたらいいですか?も分からない状態でいきなりの全体会議出席。アリアハンのおうさまに謁見したらそのままバラモス城に連れて行かれた気分です。

初陣はぬののふくを着る暇もない状態なので、まずは話し合われた内容をひたすらメモる。それしかできないです。当時のメモと記憶から振り替えると大体こんな内容。

  • 更新プロジェクト立ち上げから2年が経過しましたが、まだ課題が解決していません。
  • 前回の会議までに挙がっている課題について対応納期が過ぎている。
    • 課題について再度洗い直しをします。
  • パッケージのシステムは何故こんなにも融通が利かないシステムなのか。システム部門は要望をちゃんと業者に伝えているのか?
  • 要望を伝えているにも関わらずあれもこれもできませんと言われる。システム部門は業者に歪曲して伝えているのではないか?
  • システムトラブルを全社を挙げて対応する為、各部の課長がリーダーになって対策チームを作ります。
    • 現場側の課長はシステムが導入されるという事実すら知らない人もいた。集められたけど何をすればいいのか分からない
  • 最終的にはユーザーフレンドリィー(原文ママ)なシステムを構築して、月次締め日数の短縮と残業削減を狙います。
  • 新メンバーにノルウェーさんが入ります。各現場からの声を聴き、トラブル対応に当たってくれます。

これから、ルイーダの酒場にいても拾ってもらえるか怪しい感じの人間が、この後御用聞きをしながら全社をまとめ上げてフレンドリィー(原文ママ)なシステムを作り上げます。こうご期待!


これなんて言う無理ゲーですか。しかし、退路は既に1か月前に自分で断ち切ってます。むしろ、まとめ上げられたらそれこそ英雄、アニメ化決定じゃね?という妙なポジティブ志向もあり、キュウソネコカミシステムで乗り切る覚悟を決めたのでした。しかし、この時の私はその先の闇の深さを根本から見誤っていたのです。

かくして開幕からライフ0のひとり情シスのぼうけんが始まりました。

ITの業界は新しい技術が目まぐるしく出てくるので、情報はすぐに古くなります。しかし、意外とトラブル対応方法の基本は昔の技術も役に立ちます。また、東京など大都市の先進的なマインドのイケてる会社と違い、ローカルの一般的な中小企業では、まだまだ通用する部分が多々あるとにらんでおります。

イケてる高度なSIer様からみると、取るに足らない情報だとは思います。最新情報や高度なテクニックはデキる方々のサイトにお任せして、本サイトは三ロー(ローカル、ロートル、ロースペック)でも生き延びることを目標として記事を書いていきます。

因みに現在のスペックはこうなりました。

本Blogは技術提供の場と考え、ここから先は極力愚痴は言うまいこぼすまいとしておりますが、もし滲み出ていたら心証を察して流してくださいませw

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